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現地で捉えた能登半島の現実:1日目(2月1日)

 1日目は約7時間をかけて、横浜から石川県珠洲市に向かいました。道中、広大に広がる日本海に魅了されると共に、災害の恐ろしさを物語る家々に目を奪われました。珠洲市に到着後、宿をご提供くださった「珠洲ホースパーク(みんなの馬株式会社)」に向かいました。


 珠洲ホースパークは、かつて競走馬として活躍していた馬たちが、ありのままに過ごせるようにという思いから2023年にオープンされました。普段は、人の感情を読み取ることに長けている馬の特性を活かした企業研修や、牧場の見学などを提供しています。この日は、みんなの馬株式会社代表 足袋抜豪さんのご厚意により、沢山のお話を聞くことができました。


 足袋抜さんは、被災されてから約3週間ほど車中泊を強いられ、その期間お風呂にも入ることができませんでした。さらに、大きな揺れで地面が隆起したことにより、排水管に影響を及ぼし、トイレの使用もできなくなりました。日常の当たり前が一瞬にして奪われたのです。この経験をされてから、足袋抜さんは珠洲ホースパークに「バイオトイレ」を導入しています。バイオトイレとは、人間の排泄物を微生物の働きによって分解・処理するトイレです。実際に何度か使用させていただきましたが、不快な臭いは全くしませんでした。被災時にかかる大きなストレスとして挙がるトイレの問題を緩和できる可能性にふれた貴重な経験でした。


金沢から珠洲市に向かうバスの車窓から見える千里浜海岸(羽咋市)
金沢から珠洲市に向かうバスの車窓から見える千里浜海岸(羽咋市)

特急バスが到着する珠洲市の中心街に立地する「すずなり館」
特急バスが到着する珠洲市の中心街に立地する「すずなり館」

 加えて、珠洲市の現状についてもお話いただきました。珠洲市は被災以降、人口減少・高齢化が加速し、様々な場面において人手不足が起きています。私は現地を訪れるまで、珠洲市全体の「復興」が進みつつあるのだと勝手な想像をしていました。しかし、この目で捉えたのは1日でも早い「復旧」を必要とする現実でした。よりよくすることを目指す復興に対し、形あったものを元に戻すことを意味する復旧。未だにあらゆる地区において復旧を求める人がいることを聞き、我々のできること全てに尽力しようと決意した1日目となりました。


6割程度の撤去が終了した瓦礫の集積場
6割程度の撤去が終了した瓦礫の集積場
珠洲ホースパーク
珠洲ホースパーク
宿泊させていただいた珠洲ホースパークの玄関前
宿泊させていただいた珠洲ホースパークの玄関前
珠洲ホースパークの研修施設
珠洲ホースパークの研修施設
珠洲ホースパーク(「みんなの馬」)代表足袋抜様のレクチャー1
珠洲ホースパーク(「みんなの馬」)代表足袋抜様のレクチャー1
珠洲ホースパーク(「みんなの馬」)代表足袋抜様のレクチャー2
珠洲ホースパーク(「みんなの馬」)代表足袋抜様のレクチャー2
 

担当:スポーツ健康政策学部 スポ-ツ教育学科 井川貫太郎(4年)

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