2024年10月12日(土)に桐蔭学園アカデミウムにて、防災ボランティアセミナー(共催:あざみ野商店会、やさしい街あざみ野実行委員会 後援:横浜市青葉区役所) 2日目を実施しました。当日は、地域住民の方々、教職員、本学桐蔭横浜大学生、そして桐蔭学園高校生、桐蔭学園中等教育学校生徒を含め、合計74名の参加となりました。司会は、本学スポーツ健康政策学部スポーツ教育学科 井川貫太郎さんがつとめました。
司会:桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツ教育学科 井川貫太郎さん
まず桐蔭横浜大学法学部学部長の麻妻和人教授による開会の挨拶で、「この防災ボランティアセミナーをきっかけに、地域とのつながりをより一層深めていきたい」と述べ、本学と地域社会との連携の重要性を強調しました。
桐蔭横浜大学法学部学部長 麻妻和人教授
続いて、横浜市青葉区総務課の危機管理・地域防災担当係長である長様による「青葉区の防災の取組について」の動画を上映しました。
動画では、元禄型地震規模の大地震が発生した際の青葉区の被害想定が示され、参加者は青葉区における具体的な防災対策を学ぶ機会となりました。被害想定は大規模ではないものの、地震が発生した場合にどう避難すべきか、図式を用いて分かりやすく説明がありました。
さらに、避難所に向かうだけが避難ではなく、「在宅避難」の重要性についても触れられました。特に「在宅避難」を行うためには、事前の備えや安全対策が欠かせないことが説明され、参加者はその必要性を再認識しました。また、青葉区の防災に役立つ情報として、「青葉区民防災必携」や、スマートフォンアプリ「横浜市避難ナビ」の紹介も行われました。物資の準備だけでなく、情報を迅速に収集することの大切さもお話され、参加者にとって有益な情報となりました。
今回のセミナーでは、共催団体である「やさしい街あざみ野実行委員会」からも貴重な講演が行われました。委員長の根岸里香様、副委員長の藤崎浩太郎様が登壇し、「災害時も認知症の人にやさしい街に向けて」をテーマにお話しされました。
お二人は、「認知症になっても、それまで通り生活を楽しめる、地域のみんなで支え合える街あざみ野」を目指し、これまで行ってきた様々な活動を紹介しました。トークは明るい掛け合いで始まり、参加者にとって親しみやすい雰囲気を作り出しました。9月に実施した認知症月間イベント「認知症と防災」をはじめ、通常の避難所では生活が難しい方々を受け入れる「福祉避難所」についての説明がありました。ただ能登半島地震では、開設された「福祉避難所」が想定より少なく、認知症の方も避難所での生活となった実態をお話しいただきました。
やさしい街あざみ野実行委員会 委員長 根岸里香様、副委員長 藤崎浩太郎様
根岸里香様からは、「日ごろから顔なじみをたくさんつくり、安心して地域で暮らせるようになるとよい。当事者だけでなくご家族の方含めて、お互いに気づかえる地域づくりが大切。」とお話しいただきました。藤崎様は、「あらゆる障害やあらゆる困難を抱えた方が、災害時に辛い思いをしないようになると良い。」と締めくくられました。
後半では、危機管理・防災アドバイザーである佐藤榮一先生による「避難所運営シミュレーション(通称HUG)」を行いました。
このシミュレーションでは、本学の警察官・消防官コースの学生がファシリテーター役となり、避難所に見立てた小学校の図面を使用し、グループに分かれて避難所運営を体験しました。受付での避難者の受け入れから、避難所内での動線の確保、さらにはトラブルの解決など、避難所の現場 で直面するリアルな課題が次々と提示され、参加者は頭をひねりながら対応策を話し合いました。
危機管理・防災アドバイザー 佐藤榮一先生
ワークショップの様子
最後の全体シェアの時間では、「体育館入口付近で優先順位を付けることが大切であると思った」「第一陣で避難所が埋まってしまうと、第二陣の方の受け入れが難しく、スペースを空けて配置しないといけない。」など、避難所運営の厳しさを実感しての意見が発表されました。
最後に東京奥能登応援団長代表 光眞章様から、能登の現状についてお話しいただきました。能登は半島という地形のため、なかなか復興が進まず、特に下水設備がまだ十分ではないとのこと。「能登半島の災害について考えていただけるこのようなセミナーの開催について、心より感謝と敬意を表するとのお言葉をいただきました。
東京奥能登応援団代表 光眞章様
終了後のアンケートでは、学生から「自分が思っているよりも、高齢者の方が多かったり、自分が知らないだけで身体の不自由な方もいることが知れたので、今後考えたりする時に今回学んだことを活かしていきたいと思った」との意見がありました。
参加者からは「高校生・大学生・地域の方が共に学び合う機会となり良い取り組みでした。」、「いずれの講義・ワークショップも新しい学びがあった。」といった声が多く寄せられました。
本セミナーでは、後方に本学学生による能登半島地震復興支援プロジェクトブースを設けました。応援メッセージの記入や募金箱を設置し、休憩中やセミナー終了後に立ち寄っていただきました。皆様からの募金及び、応援メッセージをお預かりして、年内には被災地へ届ける予定です。
ご参加いただき、誠にありがとうございました。
次回は10月26日(土)です。3日目は被災地支援に向けて今私達にできることを考えていきます。
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